北海道はこれからが花爛漫の季節です。
5月になると、いろいろな花がいっぺんに咲きほころびます。
義母が入院したばかりの頃は、義父もせっせとお見舞いに行っていました。
けれども次第に行く回数は減っていきます。
義父も高齢、車の運転もだんだんと苦痛になっていきます。
1週間に1回くらい・・・といったところでしょうか。
義母を入院させたことに義父はどこか罪悪感を抱いているようでした。
義父は「入院費の心配はいらないから。安いし、その蓄えは十分ある。かあさん名義の貯蓄もある。世話はかけないから。」と私に言いました。
義父がそういったお金のことを私に話したのは、結婚してから初めてかもしれません。
お給料をたくさんもらっていたわけでも、親からの財産があるわけでもありません。
でも贅沢をする習慣がない義父母は、老後に困らないだけの蓄えは持っていたのです。
急に自分たちのお金の話をするなんて、義父も年齢を重ねて不安になってきたのかな。
その時はそんなふうに考えていた私です。
でもこれは義父が抱えていた悩みが関係していたのです。
この悩みを私が知る事になるのはそれから数年先のことです。
この時に気がついていれば・・・
これも『僕たちの失敗』です。